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手を繋ぐ日。 

2008/06/02
Mon. 15:32

ブログss更新します。

以前書いた。『始まりの日。』の続きです。
お時間がありましたらどうぞvv
ブログssにしては長くなってしまいました・汗

↓以下ss(手を繋ぐ日)

手から伝わる君の熱さ。手を通して伝わる僕の弱さ。


手を繋ぐ日



「ーー俺の事好きになって下さい」


突然の告白から1ヶ月がたった。
何一つ変わらない日々、態度、言動。あれは冗談だったのかと正直思い始めた。
助かったと思う反面、少しばかり腹が立った。
だって普通そうだろう。
いきなリ告白して来て『俺の事好きになって俺だけの人になって下さい』とまで言ったくせに、この1ヶ月もの間、それについて一切触れる事さえ無い。その事が話題に上る事も全然ない。
俺に対して意識している様な態度とか戸惑いや緊張、そういうものさえ無い始末だ。
まるであれは俺一人が白昼夢でも見たかの様なこいつの変わらなさ加減…。

『まったく…、ふざけるな…』

告白されて自分は少なからず驚き、動揺した。
何て答えて良いのか。どんな態度を取って良いのか真剣に悩んだ。
他の人間ならば冷ややかに一蹴して終了すれば良いのだがそうはいかない。
相手は光流。
多分自分が生まれて初めて大切に思えた友人。
掛け値なし、損得なしに一緒に居たいと思えた親友。

まだ答えは出てはいないが、自分なりに真剣に向き合い、答えを出そうと思っていたというのに。
今自分の前を歩くその張本人を忍は睨みつけた。


「今日の夕飯何かなー」
「さあな」
何が夕飯だ。
まったくたちの悪い冗談で振り回しやがって…。
こいつはいつもそうだ。本当の所を何一つ見せない。
いつも飄々としていて大事な事をするりとかわしてしまう。
相手を乱す事は物ともしないくせに自分の事になればこんな風に…。

くそっ…。
振り回される方の身にもなれ。

学校の帰り道。
光流と忍は何時ものように一緒に下校していた。
忍はここの所毎日の様にこの事を考えては怒っていた。
そんな事には一切気付いていない光流は、忍に振り返り話しかける。
それは忍の度肝を抜く様な事だった。

「そういえばさあ、忍」
「なんだ?」
「俺達付き合い出してそろそろ1ヶ月だしさ」
「…はっ?」
今こいつ何言った?
「それでさそろそろ…何だ…。少し…こーさあ。進んでみたりとか…いや、その…。あれ、忍ーどーした?」
忍は思わず立ち止まってしまった。
光流の言う意味が分からない。それ故の行動だった。
「いや…、あの…少し待て」
「へ?」
「どう言う事だ?」
「言葉通りだけど」
「言葉通り…」
「うん!」
こいつの言っている事が理解出来ない。
聞き違いか?いやでも…。
はっきり言われた気がする。
「…つき合ってる?」
「うん」
「…いつから?」
「1ヶ月前から」
「…誰が?」
「忍が」
「…誰と?」
「俺と」
「ふざけるな!」
「ふざけてなんかいねえけど」
「いつ俺がお前とつき合うと言ったんだ!」
「いやそれは言ってねえけど」
おかしいおかしいとは思っていたけど、ここまでとは…。
忍は胸のムカつきを何とか押さえる様に努力する。
そうしなければ怒鳴るどころか、投げ飛ばしてしまいそうだ。
冷静に。
冷静に。
「どうしたらそういう解釈になるのか、俺に分かる様に説明してくれ」
「だってあの時断らなかったじゃんか」
断るも何も驚きが勝っていて…。
「少なからず嫌じゃなかったんだろ」
いや、そういうことじゃなくて…。
「ならいいじゃん」
「良くはない」
そうだ、良くはない。
流されてはダメだ。
こいつのペースに巻き込まれてはダメだ。
そうしないと…。
「じゃあ忍俺を振るのか?」
その捨てられた子犬の様な目はやめろ。
反則だぞ。
「俺を捨てるのか?」
そのねだる様な言い方。
凶悪だ。
「ここでさ。借り返して欲しいんだけど」
このいつものパターンで…。
俺は負ける。
…完敗する。
「…お前、卑怯だぞ」
「うん!知ってる」
「…お前」
「それから忍が俺に弱い事も更に知ってるんだ」
そしてそのはじける様な笑顔。
最強だ。それでいて最悪だ。
しかも俺はその笑顔に一番弱いんだ。
それが一番最低だ。

忍は盛大にため息一つこぼした。
光流はそれを見てニヤついている。
この顔は知っている。
勝者の顔だ。
忍は光流を横目で睨んだ。


こいつ…覚えてろよ。


「でさ!手とか繋いでみねえ?」
「……断る」
「何でだよー!!いいじゃねーか。減るもんじゃねえし」
「冗談じゃない。そんな所誰かに見られたらどうするんだ」
「誰もいねえじゃん」
「そういう問題じゃない」
確かに回りに人は居ない。静かな住宅街の真ん中だ。
しかしここは学校からも寮からもさほど離れた場所ではない。寮の人間はここを通る者は少なくない。
誰かに見られる様な事はごめんだ。どんな噂をたてられるか分からない。
男同士で手を繋いでいる様なんて、誰が見ても如何わしい事この上ない。

しかしそんな事まるで気にならないと言う風な光流は、指差しながら言った。
「あれと変わらねえって」
指された方を忍は見やった。
看板だった。
小学生が手を繋いでいる看板。
大きな字で『手を繋いで帰ろう』と書いてある。

「…変わるだろう。普通」
まったく頭が痛くなる。

「じゃあ…あそこの曲がり角まで」
「駄目だ」
「なあなあ、いいじゃん」
「嫌だ」
「お・ね・が・い、忍くん!!」
「……」
「な、な?」
「…あそこの角までだぞ」
「やりー!!」
「…はあーっ」

また、負けた。
やっぱりこいつには勝てない。
それはどうしようもない事。

光流は太陽の様な笑顔を惜しみなく向けている。
本当に幸せそうなその姿を見て、忍は微笑みを浮かべた。

『ーー全く、仕方ないな』


「では、美しいお手を。忍姫」
「…殺すぞ」


これが愛情なのか友情なのかまだ理解出来ていない。
最終的にどうしたいのか答えは出てはいない。
自分の気持ちはまだはっきりしないけど、この温かい手は離したくないと心の底から思った。

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