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7月メール/七夕にて。その3 

2008/07/19
Sat. 04:05

質問/ 何時まで七夕してんだ自分!
答え/ …来週まででしょか?

遅い時間に、こんばんは。
七夕SS書いていたら、旦那様のまさかのお早い帰宅…。
帰宅したのがあと何行でUPという所だったものですから、皆が寝静まったのを見計らって起き出し、今iMacの前にいます。
今日中になんとか3をUPしたかったのです!(半ば意地)

取り敢えず終わりがやっと見えて参りました。
た、多分次で終ります。
ラブを入れたくなったら5になるかもですが、みつしのイチャイチャは書いていて非常に楽しいので、それは早くUP出来るだろうと信じてます。(あくまで予想と希望)
来週までには終らすぞ!!
そして心置きなくライブに行くぞ!!(決意)

関係ないですが改装しました。(テキストからの逃走という名の改装)
入口以外にブクマして下さっていると今までのページは消える可能性が大なので、入口にブクマして下さい。(本当にすみません!!)お手数をおかけしますが、宜しくお願いします。

本当に色々すみません。(いつまでも七夕気分だったりとか)
こんな奴ですが、これからも宜しくしてやって下さい。お願いします!
7月メール/七夕にて。


その3


空の色が変わっていく。
夕日が静かに沈み始め、辺りは大分薄暗くなっていた。
光流はベンチに腰掛けて、暮れていく夏の空を眺めていた。

忍は今頃、寮で夕食を採っているのだろうか。
約束をこんな形で反古にしてしまった自分を、許してくれるだろうか。
いい加減な奴だと呆れてしまっただろうか。

ーー嫌われた、かもな…。

「あの…」
「…えっ」
空を見上げながら一人つらつらと考え込んでいた光流は、横に座る女性に突如声を掛けられて驚いた。そしてそのまま目線を空から女性へと移す。
女性の顔色はまだ青白く冴えないが、明らかに先程よりは良くなっている。それは声色からも見て取れ、光流は正直ホッとした。
「本当にこの度は、有り難うございました。そして、お茶までごちそうになってしまって…」
「いえいえ」
「あの、私、香織。天野香織と申します」
あれから随分と時間が経ったのに、隣に座るこの女性の名前一つ訪ねる事をしていなかった。
促される様に光流も自己紹介をした。
「あっ。俺、池田光流です」

ーーこんなに美人なのにな。

魅力的な女性が隣に座り、おまけに二人きりのこの状況。
しかも体調の悪くなった女性を助ける男性という、まるで絵に描いた様な典型的パターンの初対面。
こんな好印象で始まっている自分の立場。これは、チャンス以外の何物でもないだろう。
しかし、そんな事に対しても目の前にいる女性に対しても、興味一つ持っていない自分。
それが硬派だからだとか、見た目と違って以外と奥手であるとか、更には恋愛に対して誰よりも真面目だからなんて事が理由なんかじゃない。
本当の理由が簡単に頭の中で導き出される。
それについては、正直笑えない。
「池田さん、本当にすみませんでした」
「いいえ。少しは落ち着きましたか?」
「はい。かなり楽になりました」
「それは良かった」
笑顔で答える光流。香織も笑顔を光流に返してきた。その笑顔は顔色が悪い事を差し引いても、とても美しかった。
そんな香織は突然目線を空に移して、一言呟いた。それにつられる様に光流も空を見上げる。
「星達が…」
「えっ?」

星達??
まだ夕暮れなのに?
一番星もまだ見えないけど?

「これでやっと天の川が…」
「??」
香織は空を見上げて、一人呟いている。
光流には香織が言っている言葉の意味が、全然分からない。
空を眺めて見ても、夕暮れ時の今の時間帯では星など勿論出ていない。
この東京の空ではたとえ日が暮れてしまっていても、星などはまともに見る事は叶わないだろう。いくら今日が七夕だと言っても、天の川など尚更見る事など無理な話だ。
光流は香織をちらりと盗み見た。

ーー体調が悪くて、幻覚が見えてる…。とかじゃねえよな…。

そんな光流に香織は、目線を向けて来た。
一瞬、見つめ合う。
失礼な事を考えていた事も手伝い、光流は驚きを隠せず狼狽えてしまう。
しかしそんな事などお構いないと、香織は声をかけてきた。
「池田さん、何かお約束があったんじゃないですか?」
「…えっ」
突然図星を指されて、光流はドキリとした。
「それなのに、私ったら…」
「いえ。大丈夫ですよ」
本当は大丈夫じゃない。
これはただの強がりだ。
でも仕方が無い。
今更どう仕様もない事だ。
「もう私は大丈夫ですから。どうぞ、行って下さい」
「でも…」
「行って下さい。お願いします!」
顔色も呼吸の仕方も明らかにまだまだおかしいのに、香織は光流にそう言って詰め寄っている。
「…いや、もう少しここにいますよ」
「でも…」
「まだ香織さんの顔色、凄く悪いし」
「……」
「女性一人をこんな所に放っておけませんよ。まだ良くなっていないじゃないですか」
「でも…」
光流はフェミニストだ。それは自他共に認めている。
だからこそ体調の悪い女性を、一人置去りに何か出来はしない。
それに…。
「きっとあいつはもう帰ってしまったと思うし」
「えっ?」

兎に角、寮に帰ったらまず平謝りしよう。
勿論、土下座も辞さない覚悟で。
それでも許してくれないかも知れない。
その時は。
どうしよう。
本当に、どうしよう。

「あの…?」
「あっ…、いえ…」
「やっぱり、待ってる方がいらっしゃるんでしょ?」
「……」

待ってる。
いや、待っていない。
でも、もし本当にまだ待っていたら?
アイツに限って、そんな事は無い筈だ…。
無い筈だけど…。

「池田さん?」
「…凄く性格が悪くて、意地が悪くて、誰よりも冷たい奴なんです」
「…えっ?」
「絶対さっさと帰って、今頃は何も無かった様に晩飯でも食べてると思うんです」
「?」
「だから、俺を待ってる奴なんか居ないですよ」
光流は香織に対して呟きながら、何よりも自分にそう言い聞かせていた。
それを確信して口に出しながら、そうである筈の事実が、何時しかそうあって欲しいと、切に願っていた。

何時間も一人で、この俺を待っているかも知れないアイツ。
もしそんな事が本当にあるとしたら…。
いやそんな事がある筈が無い。
そんな事は無い筈なんだ。
で、なければ、俺は…。

光流はふと自分に向けられる視線を感じて、目線をそちらに向けた。
見つめ合った瞬間、彼女が微笑みながら口を開く。
「好きなんですね」
「えっ?」
「その、凄く性格が悪くて、意地が悪くて、誰よりも冷たい方が」
「……」
「好きなんでしょ?」
「…ええ。好きです」
「…その方と待ち合わせされてたんですね」
「…はい」
それを聞いた香織の顔が見る見るうちに曇っていく。
そして光流へと静かに頭を下げた。
「…本当にすみません。謝って済む事じゃないけど…」
「香織さん、貴方が謝る必要なんてないですよ」
「でも」
「貴方はわざと体調が悪くなった訳でも、悪くなった不利をしてる訳でもない」
「それは、そうですけど…」
「それに、俺が決めた事ですよ」
光流は香織へと笑顔でそう答えた。しかしそんな光流を憂い顔でじっと見つめる香織の姿が目に映る。
その真摯な表情から感じた。
きっとどうしようもない程の罪悪感を彼女は、感じているのだろう。
しかし選択し、行動したのはあくまで自分なのだ。彼女に責任がある訳ではない。
そんな事を思いつつ、光流は香織へ話しかけた。
「あの、香織さん」
「何ですか?」
「取り敢えず、その…、連絡してみてもいいですか?」
「えっ!? はい。そんな、勿論です! というか私なんかにお気を使わずに、早く連絡してあげて下さい!」
「はい。すみません」
彼女のあまりの必死さに思わず苦笑が漏れる。
そして光流はジーパンの後ろポケットへと手を動かした。
本当の事をいえば、光流はさっきから何度も忍に連絡を取ろうかと思っていた。
が、結局何をいってもただの言い訳になるだろうと思い、それを躊躇っていた。
それから、今回の事を忍は許してくれないだろうと一人で思い込んでいた。それも先ほどから連絡する事を避けていた理由の一つだ。
そして何よりも、連絡しなかった最大の理由。それは…。

ーー忍に嫌われた事をその身で感じる事。

「…はあ」
考えただけで思わずため息が漏れる。
でもそんな事を言っている場合ではない。
どんな理由があるにせよ、約束を破ったのは事実なのだから。

取り敢えず、謝らないと。

そんな事を思いつつ、取り出した二つ折りの携帯を静かに開ける。
そして。
「あっ!!」
携帯の待ち受け画面を見つめ、光流は思わず叫んだ。
そんな様子に驚いた香織は、光流へと声をかけた。
「池田さん、どうしました?」
「…電源が切れてる」
「えっ!?」
「香織さんすみません、携帯貸して頂けませんか? 俺の電池切れみたいで…」
「すみません。私、携帯持ってないんです」
「そう…、ですか」
香織の一言に光流は正直驚いた。

ーー今時そんな人がいるなんて。

そうか、そうだよな。
色んな人がいるよな。
この広い東京だもんな。携帯を持ってない人ぐらいいるよな。
…いや、そんな事言ってる場合でも、納得している場合でもない。
そうだ!こうなりゃ公衆電話!

光流はそう思ったが、それはすぐに頭の中で却下された。

そういえば最近見ねえし。
というか住宅街のど真ん中の何処にあるんだ。
探す方が時間がかかりそうだ。
兎に角、手っ取り早く忍の携帯に連絡取るには…。
忍の携帯番号に連絡…。

「あっ!」
「今度はどうされました?」
二度目の光流の叫びにも香織は律儀に反応した。
「俺、忍の携帯番号…、覚えてねえや…」



時刻は7時半。
同時刻。別の公園では、待っているはずの無い忍が光流の身を案じて、寮に電話をかけていた。



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