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お題ss/2 凝視するだけで触れられない唇 

2008/08/21
Thu. 18:39

拍手有り難うございます!!幸せだーvv


お題ss更新します。
銃口と平行して書いてたらこっちが先にあがりました。
またブログssにしては長いなあ…。(テキストに移行する事、前提で書いているので…すみません)


『2 凝視するだけで触れられない唇』です。
忍→光流ぽいですが、あくまで光流←忍(でも本当は光流×忍)です。

忍攻めは平気ですが、光流受だけは無理!(心の叫び)
だからリバとか無理です。(精神的は有りですが)
総受けとかも勘弁したいタイプです。(ホモは萌えない/矛盾の一言)

好きなのは『好きになったのがたまたま男』これ!!
それ故の葛藤、大好物です!(それがないと萌えられない)


みつしの最高!(言いたかっただけ)


触れられないからこそ、こんなに愛しい。


2 凝視するだけで触れられない唇


いつもの211号室恒例の飲み会で、何気なくその話題になった。


ーーファーストキスはいつだったか?


女日照りが激しいこの寮内で、その手の話題はタブーだったり、逆に唯一の癒しであったりと、その正体は様々なのだが。

「初めてキスしたのは中学の時だった…、かな」

はにかみながら言ったアイツのその一言に、何故俺はあんなにも動揺したのだろうか。
どうしてその事について、一切触れる事さえも出来なかったのだろうか。


あの日から、アイツの仕草や態度が何かと目についた。
何気なく言い放つ言動や、笑い声が耳について堪らない。
そして何よりも、その唇が気になって仕方がないんだ。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆



待たなくてもいいと言ったのに、あいつはいつもの様に笑顔でそれを了承しなかった。


生徒会の役員会議を終えて、俺は足早に廊下を歩いていた。
急ぐ必要はない。
それは分かっている。
遅くなると始めからお互い理解していた事だし、何よりも『待つ必要はない』と先に伝えていたのだから。
それでも、逸る気持ちを押さえる事が出来なかった。
そう、間違いなく俺は焦っていたんだ。
多分会議中もずっと。
途切れる事ないぐらいにずっと。
あいつが俺を待っていると思うだけで。
その事ばかり考えてしまって。
頭の中はその事でイッパイになっていて…。
「…だから、待ってなくていいと言ったのに」
無意識に呟いてしまった言葉に、瞬間ハッとした。
思わず回りを見回してしまう。
「……」
そして誰もいない事が分かり、これ以上ないくらいに安堵した。
気が抜けて、ため息までついてしまった。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆



2年C組。
立ち止まったまま、俺はクラスプレートを見上げていた。

『ーーここは光流のクラス。』

当たり前である筈のその事を、慎重に確認する様な行動に、思わず苦笑が漏れる。
「……ふう」
そして、気持ちを入れ替える為に深呼吸を一つして、俺はドアに手をかけた。


ーーガララッ。


独特の重い音がその場に響き渡る。
俺は覗き込む様に、開いた隙間から教室内を伺った。


静まり返った教室内。
人の気配を全く感じられないと思った瞬間、視線がそれを捉えた。
窓際一番後ろの席で、机に突っ伏している猫毛の栗色頭。
「たくっ…」
ため息一つ零して、俺はそれに歩み寄った。
音を立てない様に気を使ってしまうのは、どうしてか分からなかったが。

傍らに立ち、気まぐれにそれを眺めてみる。

ーーーすうすう。

よく寝ている。
まるで子供の様な、無邪気な寝顔が目に入った。
「……」
起こそうかと思うが、どうしても声が出ない。
それならば揺らし起こせばいいのだが、それも出来なかった。
だから、ただただ馬鹿みたいに、その寝顔を眺めていた。

ーー本当に馬鹿みたいだ。

触ると柔らかそうな色素の薄い猫っ毛が、窓から流れてくる緩やかな風に乱されている。
湿度を適度に含んだそれは、まるで秋の始まりを告げている様で。
正体の分からない、何かの始まりを告げているようで。
「……」
印象的な瞳は今は瞼で隠され、長い睫毛が呼吸するたびに揺れている。
鼻筋の通った、見とれてしまう程の整った顔。
誰よりも華やかな、綺麗な顔。
傷一つない、滑らかな肌。
そして。

艶やかな、唇。
薄く色付く、その唇。


ーー初めてキスしたのは中学の時だった…、かな


蘇る、あの日聞いた言葉。
とたんに心をチクリと何かが突き刺す。
じわじわと広がる言葉のつかない感情達。

痛い。
苦い。
熱い。

紅くて。
黒くて。

ぐちゃぐちゃと混ざっている。
そしてどろどろとした、嫌な気持ち。


ただ、息が止まりそうで。
心臓が止まってしまいそうで。


凝視してしまう。
光流のその唇。
指先が求める様に、それに近づいた。
「……」
しかし触れる事は躊躇われ、伸ばした指先をゆっくりと握り込んでいた。


俺が触れた事のない唇。
知らない女が触れたその唇。


どう仕様もない程、見た事もないその女に嫉妬していた。


ーー愚かだ…。


それでも目が離せなかった。逸らす事が出来なかった。
悪魔的なその魅力に、まるで見入られてしまったようで。

その穏やかな寝顔が。
規則正しく繰り返される呼吸音と寝息が。
だらし無く伸びた長い手足が。
何よりも紅く色付くその唇が。
まるで誘っているようで。
全身で誘惑しているようで。


俺はこの上なく、欲情していた。


だからまるでそれに促される様に、自然に身体が動いた。
ゆっくりと机に手をつき、かがみ込む。


その唇に触れたくて。
その心に触れたくて。
ただ、光流に触れたくて。


ゆっくりと近づく。
その顔に。
その唇に。
自分の唇を、そっと寄せていく。


光流の寝顔に、俺の影が覆い被さる。
髪に。
瞼に。
鼻に。
綺麗な顔に。
手足に。
身体に。
そして唇に。

俺が光流を浸食している。
同時に光流が俺を浸食していく。


唇が触れ合う寸前。
光流の吐息が俺の唇に触れた。
瞬間、全身にビリッと電気の様な痛みが走る。


ーーだめだ


そう思った瞬間、俺はゆっくり立ち上がり、光流から静かに離れた。

「こんなのはフェアじゃない…」

こんな関係を望んでいるんじゃない。
こんな卑怯な方法で手に入れたいんじゃない。

対当でいたい。
信頼されていたい。
何よりも負けたくない。
こいつには。
こいつにだけは。


だから。
触れられない。


右手の人差し指で自分の唇を、目を閉じ、そっとなぞってみる。
吐息だけが触れた。この唇。
それからゆっくり目を開き、平和そうに眠っている目の前の存在を見つめる。
まだ触れ合っていないそれを視線で捉える。
そして。

「…おい。起きろよ光流」
「…うう…ん。…あれ?」
「あれ、じゃない」
「…もう、終わったのか?」
「ああ」
「うーーん。寝ちまったー」
そう言いながら、光流は大きく伸びた。
その一連の動作を、凝視する様に見つめてしまう。
俺の瞳はいつから、こんなにこいつの事ばかり見ていたんだろう。この視線は光流だけを捉え続けていたのだろうか。
あの日の言葉は、ただの切っ掛けに過ぎなかったのだと、今この瞬間に気づいてしまう。
「ん? どうした?」
「…別に」
声を掛けられて、思わず狼狽えてしまう。
気づかれてしまうのは、勘弁したい。
「もしかして、俺に欲情しちゃったとか?」
「…あほか」

ーー本当にアホだな。俺は。

「あはは」
「くだらん事言ってないで、さっさと帰るぞ」
そう言って光流を促す。
それに答える様に光流は立ち上がり、鞄を掴んだ。
ふと盗み見たその顔は、眩しいくらいの笑みを浮かべていた。


それから教室を後にし、廊下を並んで歩いていた。
欠伸を一つしながら、光流が声をかけて来た。
「そう言えばお前のファースとキスっていつ?」

ーーピクリ。

瞬間、足が止まりそうになる。
見つめれば普通顔の光流。
只の偶然だと認識して、言葉を繋いだ。
「…急に何だ?」
「お前、あの日言わなかったから」
「理由になってないぞ?」
「まあまあ。それで、いつだった?」
一瞬の間。
そして薄く笑みを浮かべて答えた。
「…した事ないな」
「はっ?」
「意外と奥手でな」
「この嘘つきが!」


本当に好きな奴とはまだした事はない。
今はまだ見つめる事だけで、触れられないその唇。


でも、きっと。
きっと、いつかは…な?


「忍の大嘘つき!」
「はいはい」


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