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12月 

2008/12/16
Tue. 17:49

いつの間にやら12月。
かなりの放置プレイ本当にすみません!!
拍手も沢山頂いて嬉しいです!!
(ルナ様、sakura様、琥珀様。その他お名前が分からない方々、有り難うございます!皆様のおかげで元気になりました!)


バタバタしまくっていて更新が…。(携帯でぽちぽち書いてはいるのですが)
時間が欲しい…。話書きたい…。
日記くらいは何とか(週一には)書こう。うん。


リハビリ中ss。『たまゆら』
以前書いた『春』のその後?(ラジオ同窓会の妄想ssの続きみたいな…どうかな?)
甘々で宜しければどうぞ。(砂吐かないで下さい・汗)


同窓会。
十年ぶりに会うあいつは、あの時と変わらず、いやそれ以上に綺麗だった。
会えればいい。
友達として話せればいい。
それさえ叶えばいいと、確かに思っていた。
そう、あの時までは。


たまゆら


早々に同窓会会場を後にした俺と忍は、その会場であったホテルの最上階ラウンジで夜景と酒、そして思い出話とを存分に味わった。
笑い、喜び、懐かしみ、そして戻れない『あの時間』を心の中でどうしようもない程恋う様に。

そしてーー。


「さてと」
「光流」
律儀に自分の飲んだカクテルの料金を支払おうとする忍をやんわりと断り、俺は財布を取り出した。
そしてそのまま会計を済ませながら、先程の忍との会話を頭の中で繰り返していた。

「俺…、あのままずっと一緒に居れると思っていたんだ」
「……」
「や、何言ってんだろう。俺。」
「…光流」
「酔っちまったかな。ははっ」
「俺も…」
「忍?」
「ずっと一緒にいたかった…」
「しの…」
「…俺も酔ったのかもな」


『酔ったのかも』と忍は言った。
人は酔っている時は思っても居ない事を口走ったりもする。
そう言う意味なのだろうか?とも思う。たちの悪い冗談なのかもと。
しかし、相手はあの『手塚忍』なのだ。
たとえ冗談でもそんな事を口走る奴ではない事は、自分がこの世の誰よりも知っている。
人の一番弱い部分。
心の底を曝け出した様な忍の一言。


ーーずっと一緒にいたかった


言う筈が無い。
冗談なんかで、そんな事を。
あの忍が。
だったら…忍は…。


そう心で思った時「~円のお返しでございます」とボーイに釣りを笑顔で渡された。
それを受け取ろうと差し出した手は、どうしようもない程震えていた。


動揺した心を抑えつつ振り返り見れば、そこには忍が居た。
まるで昔みたいに。空気みたいに。
懐かしい雰囲気に思わず口元が綻ぶ。
自然と視線が絡み合う。
そして次の瞬間、忍は当然の様に微笑んだ。

「……っ」
思わず息を飲んだ。
色あせない思い出と想いが溢れてくる。
忘れた筈の、諦めた筈の想いが蘇ってくる。
それをかき消す様に釣りを持つ手に力を入れる。
くしゃりと紙幣が音を立てた。
そんな俺を嘲笑うかの様に、頭の中で先程の言葉が蘇る。


ーーずっと一緒にいたかった


呪文の様にそれは心の中をくすぐり続ける。
長年封印していた感情が目を醒す。
俺はそれを受け入れるがごとく、瞳を閉じた。



☆   ☆   ☆




ーー俺、今日このホテルに泊まる予定なんだ。部屋に行かないか?


そう誘った。
普通に考えれば昔の友達に久しぶりに会って、話足りない、それ以上に飲み足りないからとそれを軽く受け取るかも知れない。
でも…。


お前はきっと気付いてるよな?
その言葉の意味を。
それ以上に俺の気持ちを。


ーー俺はあの頃からずっと…。



二人示し合わせた様に黙りこみ、ラウンジからエレベーターホールへと歩みを進めた。
ホールに着けば遅い時間の所為かそこは人気が全く無い。
「……」
「……」
沈黙でその場の空気がぴりぴり痛い。
更に並んで待つエレベーターは全然来ない。
持て余す永遠の様な短い時間に俺は、ポケットのカードキーを握りしめた。
ひやりと冷たいそれは、俺の行動を非難している様に思えた。


「どうかしたか?」
「……」
口を噤んだままの俺を不審に思って忍が声を掛ける。
「……光流?」
「……っ」
名前を呼ばれた。
この何年一番聞きたかったその声。言葉。
そう、忍に。
だから…、もういい…。
これ以上は進んではいけない。

「……帰れよ」
「ん?」
「このまま帰れ」
「…光流?」
驚き顔の忍と目が合う。
心を射抜かれそうになる。負けそうになる。
なけなしの勇気と理性を総動員して言葉を続ける様に努力した。
最大限に。
綺麗な思い出の為に。
友情の為に。
何よりも忍の為に。
「このまま行けば…」
「……」
「俺はきっとお前を…、だから…」
血を吐く様に言葉を伝える。
心が引き裂かれそうになる。
忍の笑顔が。俺の名を呼ぶその声が。
封印し続けて来た感情が溢れ出そうになる。
でもそれ以上に大切な忍の存在。友情。
壊せない。俺の勝手な感情で穢す事は出来ない。
「だから…、帰ってくれ…」
もう二度と会えないかも知れないのにとどこかで何かが囁く。
その声にまるで蓋をする様に俺は瞳を閉じた。
しかし次の瞬間、まるでそれをこじ開ける様な信じられない言葉が聞こえた。
「…構わない」
「……えっ」
思わず凝視してしまう。
そこにあったのは、揺るぎない瞳。表情。
そして誰よりも何よりも綺麗な微笑。
好きで堪らないそれ。
「構わないと言ったんだ。それに…」
驚きから言葉を紡げない俺を置いてけぼりにして、忍は更に言葉を続けた。
「お前だけじゃない」
「……?」
「俺もずっとお前が好きだった」
「……」
「会いたかったんだ」
「……」
「光流、お前に会いたくて堪らなかった」
「…忍」
「だから…、帰らない」

そんな事言うから。
忍がそんな事聞かせるから。
あの頃みたいに、今そうやって微笑むから。


「ーー忍」
「何だ?」
「…後悔させない」
「…光流?」

「幸せにする」
「……ああ」

ゆっくりと手を伸ばして忍の手を捕らえる様に繋いだ。
誰かに、何かに誓う様に言葉が溢れる。

「もう二度と離さないから」



ーーーポーン


エレベーター到着音が軽快にホールに響き渡る。
その音に促される様に二人足を踏み入れた。

宿泊部屋の階を押し、そのまま『閉』ボタンを押した。
俺と忍の視線が絡み合う。
「……」
「……」
ドアが閉まる瞬間、どちらとも無く唇を寄せた。



浅ましい気持ちが心を浸食する。
でもそんな事どうでもいい。

お前がそうやって笑ってくれるなら。



もう、止まれない。
もう、後戻りはしないから。


そう、もう離さないから。絶対に。


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